がん遺伝子治療一般的なこと

一般的なこと


がん遺伝子治療の特徴
がん遺伝子治療とは、近年になって注目されてきたがん治療の一つです。化学療法である抗がん剤や免疫療法などはがん細胞の外部から排除するよう働きかけるのに対して、がん遺伝子治療はがん細胞自身が自然に死滅していくように誘導する画期的な治療法です。つまり、正常細胞に悪影響を与えずに、全身のがん細胞に効果を発揮する新しい治療方法です。早期の場合はがん遺伝子治療のみでの治癒も可能であり、進行したがんに対しても手術や抗がん剤と併用することで、手術範囲を縮小することで副作用を抑える効果なども期待できます。また放射線治療でダメージを与えたがん細胞に、遺伝子治療を行うことで相乗効果も生まれます。既存の三大標準治療に比べて治療実績がまだ少なく、大学病院などで多くの治験が行われており、保険承認されるまでは時間が必要ですが、最新のがん治療として多くの関心を集めています。


がん遺伝子治療のメリットとデメリット
がん遺伝子治療は、がん抑制遺伝子を点滴や注射によって体内に導入します。 その為、術痕の切除痕は無く、創感染といった傷口からの感染症や、縫合不全、腹膜炎といった合併症もありません。また、麻酔をかけることも無いので体力の無い方でも治療が受けられて、入院せずに通院のみでの治療が可能です。現在は再発がんや進行がんなど、治療が難しいとされているがんの治療によく用いられていますが、全身に作用して新しいがんの発生を抑えるため再発予防としての効果も期待されています。世界中で多くのがん抑制遺伝子が発見されており、それらを効率的に体内に導入できるように研究されているので、これから更に進化していく治療法として期待が高まっています。



がん遺伝子治療のメリットとデメリット
がん遺伝子治療の大きなメリットは、副作用や痛みがほとんど無く、体力の少ない高齢者や小児期のがんにも効果を発揮するところです。抗がん剤が効きにくくなった症例でも、がん遺伝子治療によってふたたび抗がん剤の効果が出やすくなることがあります。さらにがんの三大標準治療では治療が難しい転移がんや再発がんに対しても高い治療効果が期待できます。特に局所注射を打つことが可能な体表に近いがん種に対しては顕著な効果を発揮するため、乳がんや皮膚がん、内視鏡によって遺伝子治療薬の局所注入が可能な胃がんや大腸がんなどに対してはまず遺伝子治療を受けることを検討するべきだと思います。

遺伝子治療のデメリットは、大きながん腫瘍に対して手術や放射線治療のように極短時間で治療を完了させることは難しいということです。遺伝子治療は細胞に正常な働きを促すことで体内からがん細胞を死滅させていく治療ですので、手術によって腫瘍を根こそぎ切除したりする即効性はありません。そのためCTやMRIなどで確認が出来るほど腫瘍が大きくなってしまった場合は、まずは手術で腫瘍を取り除き、残りの小さく散ってしまったがん細胞に対して遺伝子治療を行うということが多いのです。
第2に、今はまだ自由診療という扱いのため治療費の自己負担が必要です。国内でがん遺伝子治療を実施しているクリニックの治療費は1クールで100万円〜300万円ほどになります。


がん抑制遺伝子の種類

p53

o がんを防ぐためにさまざまな遺伝⼦に命令を出す司令塔で、「ゲノムの守護者」とも呼ばれている。

o 細胞のストレスやDNA損傷などの「危険信号」を察知 すると活性化するがん抑制遺伝⼦。

o 傷を修復復させたり、アポトーシスさせることでがん化する前に細胞を消し去る。

o 過剰な細胞増殖を⽌める。

 

CDC6shRNA

がん細胞中のcdc6の発現を阻害することで、がん細胞の増殖停止や、細胞のアポトーシス(自死)へと誘導します。

 

TRAIL

炎症を引き起こして腫瘍原性(発がん能)を抑制したり、アポトーシスのプロセスを促進します。

 

p16

細胞周期をG1期で停止させ、細胞老化を誘導します。 細胞老化とは、細胞の異常な増殖を防ぎ、発がんを予防する生体防御機構です。

 

PTEN

アポトーシスの抑制や細胞増殖など、細胞の生存シグナルにおいて重要な役割を果たしているがん原遺伝子のAKTの働きを制御します。

 

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