キレーション治療
キレーションは50年ほど前に、炭鉱労働者の鉛中毒を治療するために開始されました。アメリカの研究では、鉛中毒の症状が軽快しただけでなく、高血圧や糖尿病、動脈硬化なども改善したことから、キレーション治療が盛んにおこなわれるようになりました。キレートの語源は、カニのハサミです。キレート剤は、カニがハサミで物を挟むような形で重金属と結合する薬剤なので、キレーション 剤を点滴することで、有害な重金属が体外へ排出するのを促します。
日本人はよく魚を食べますし(後述)、また、排気ガスやたばこの煙からと、知らない間に少しずつ、体の中にこれらの有害な重金属は溜まってきます。また、これらの有害な重金属は粒子が大きく、汗など身体からの排泄物で自然に排出されずに蓄積されてしまいます。それで重金属を効果的に排出する治療法として、キレーション療法が応用されるようになりました。しかしながら、キレーション療法は、日本の保険医療ではキレーション療法が適応されず自費診療となっています。
一般的に体内に鉛や水銀などの有害金属が蓄積すると下記のような症状が現れることがあります。
● 慢性疲労、疲れやすい、スタミナ低下
● 冷え症、肩こり、めまい、しびれ、うずき
● イライラや集中力の低下、キレやすい、頭がぼーっとする
● 抑うつ症状、うつ、自閉症、情緒不安定
● 頭痛、頭重感、目の疲れ
● 肌荒れ、皮膚炎、アレルギー症状
● 手足等のむくみ、筋肉や関節の痛み
● 腸の不調、腹部膨満感、ガス、げっぷ
● 痩せにくい、メタボリック症候群
● 口臭、口内炎、歯周病、体臭
● 貧血、傷口が長く治らない
● ED 等
重金属(ミネラル)検査とは?
毛髪は便や尿、汗と同じく人間の大切な排泄経路の一つです。毛髪ミネラル検査とは、そこで毛髪に含まれる重金属やミネラルを測定し、その排泄量から重金属蓄積や排泄能力、ミネラルバランス、腸内環境を推測し、体内にどれほどの有害重金属が蓄積されているかを調べる検査です。
水銀、アルミニウム、カドミウム、ヒ素、鉛、ニッケル、ベリリウムなどの有害重金属は、食事、水、空気、日用品などから体内に取り込まれ、多彩な症状を引き起こし、老化や体調不良、様々な病気の原因となっています。その中でも水銀による身体への影響は大きく、原因不明の体調不良や症状は水銀被曝が原因であることも多いのです。水銀は、銀歯(アマルガム)、ワクチン、魚介類などから知らず知らずに体内に取り込まれているのが実情です。とくにマグロ、クジラなどの刺身を好んで食べる日本人の水銀の蓄積量は欧米人に比べて2〜6倍も高いと言われています。
毛髪重金属(ミネラル)検査を特におすすめする方
糖尿病・動脈硬化と診断された方、またはそのリスクを持たれている方
魚介類を摂取する機会の多い方
喫煙者、銀歯の治療が多い方
妊娠を希望されている方
体内に含有されているミネラル量を知りたい方など
当院は毛髪ミネラル検査だけの実施だけでも可能です。
キレーション治療前の検査方法について
当院では、金属デトックスの予防・改善を治療の目的にキレーション治療行います。
そのため、キレーション治療を実施する前に身体の中に蓄積している有害重金属の量を調べる検査を必ず実施します(別途13,000円)。当院では動脈硬化の改善(Na-EDTA)を目的としたキレーション療法は実施しておりません。
キレーションが受けられない人
キレーション治療は、人工透析を受けているなど、腎機能が弱っている人(中等度以上)は受けることができません。その他、キレート剤や使用薬剤に対し、過敏性のある方、心不全の方・抗凝固剤の内服を行っている方、進行中の肝臓疾患の方、糖尿病のコントロールが悪い方も実施しておりません。また、原則的に未成年者、妊娠中の人も受けられません。持病がある人は、必ず担当医とご相談ください。
キレーション療法が有効な病変・期待される症状の改善のリスト
動脈硬化症/心冠動脈疾患/末梢血管疾患/関節炎
高血圧、脳梗塞や心筋梗塞、その他の心臓疾患
細胞の抗加齢(アンチエイジング)
多発性硬化症/パーキンソン病/アルツハイマー氏病 視覚・聴覚・嗅覚障害/側副血行の増加/血液粘度(血液ドロドロ度)の低下
細胞膜の機能の改善/細胞内器官の機能の改善/動脈の攣縮(れんしゅく)の軽減
フリーラジカル産生を減少/老化の進行を抑制/狭心症の減少/壊疽の改善
皮膚の色の改善/糖尿病性潰瘍の改善/筋肉運動の改善/精力回復
有害金属の蓄積が原因となる様々な症状 ※